【デモ体験レポート②】AIツールを商工会議所へ 〜属人化解消・業務効率化の新たな一手〜

こんにちは!サンロフトDX事業部の中村です。先日、I商工会議所にてBuddieS(バディーズ)のデモンストレーションを行ってきました。今回は自治体関係者向けのデモということで、実際のAI活用がわかりにくい方々に向けた説明となりました。「AIを導入したいけど、具体的にどう使えるの?」という疑問をお持ちの方も多いはず。そこで今回は、商工会議所でのデモの様子をレポートします!

目次

デモの流れ:地域企業の課題にAIで挑む

今回訪問したのは、I商工会議所様。
Y様(コーディネーター)とO様(中小企業相談所 経営支援員)にご参加いただきました。

■ はじめの15分:商工会議所の課題ヒアリング

最初に、I商工会議所様が抱える業務上の課題やAIに対する期待をヒアリングしました。

Y様からは「商工会議所の業務はとても属人化されている」という率直な課題が挙げられました。「新しい人が入ってきても、マニュアルはありません。あの人の背中を見て覚えてくださいみたいな感じ」という状況を説明いただきました。

O様も「担当が変わりましたと入りますってなると、もうその人しかわからないんで、その人に聞くしかない」と現状を補足。特に「文書受付業務」「ホームページの更新」「SNSの更新サイクル」など、細かい定型業務が多いとのことでした。

DX事業部 中村

「属人化の問題は多くの組織で共通していますね。実は、AIを使うことでマニュアル作成を効率化したり、よくある質問への回答を自動化したりすることができるんです。」

■ 続く20分:BuddieS(バディーズ)の基本コンセプト紹介

デモの内容が決まったところで、まずは中小企業におけるAI活用の現状からお話しました。

私たちのミッション

ミッション「日常に余白を、余白から価値を。」

私たちは、日々の業務に追われる中小企業の皆様の「もっと大切なことに時間を使いたい」という想いに応えます。

AIの力で単純作業から解放されること。
それは、ただ時間が空くということではありません。
心と時間にゆとりが生まれ、考える余裕が増え、新しいアイデアが湧き、顧客との対話が深まり、そして企業としての本質的な価値を高めていく。

その大切な「余白」をつくりだすことが、私たちの使命です。
生まれた余白から、どんな価値を生み出しますか?

私たちは、その可能性を広げるテクノロジーの提供と、伴走型の支援を全力でおこないます。
DX事業部 中村

日常に余白を、余白から価値を」というのが私たちのミッションです。AIができる業務はAIに任せて、人が本来使うべき時間を確保し、本質的な業務に集中できるようにする。それがBuddieS(バディーズ)の目指すところです。

DX事業部 中村

「ChatGPTを個人的に使われている方も多いと思いますが、何を入力すれば業務効率化できるのかわからない、適当に入れると適当な回答しか返ってこないという悩みはありませんか?」

O様からは「ChatGPTを使ってはいるが、まだ使いこなせていない」というご意見をいただきました。特に「セキュリティ面」に関する懸念も示されました。

セキュリティ面(AIに学習されないか?)

DX事業部 中村

「セキュリティに関しては、OpenAIなどのAIサービスに対して『オプトアウト申請』をしています。つまり、AIにその入力した内容を学習させない設定にしています。ただ、もちろんデータはAIに送信されますので、極めて機密性の高い情報は避けた方が良いでしょう。」

オプトアウト申請とは
  • 意味
    オプトアウト申請とは、AIサービス側に対し「自分がAPIやサービスに入力したデータを、AIモデルの再学習やサービス改善のために利用しないでほしい」と意思表示する手続きです
  • 特徴
    • 通常、AIサービス側(例:OpenAIやGoogleなど)では、ユーザーが特に申請しない限り「入力したデータの一部を、今後のAI改善や学習に利用する」場合があります
    • オプトアウト申請を行うと、自分のデータがAIの再学習や分析に使われなくなります
  • 利用ケース
    • 機密情報や個人情報をAPI経由で送信する場合
    • 業務上、データの外部利用を禁じる社内ルールがある場合

複数のAIエンジンの使い分け説明

さらにBuddieS(バディーズ)の特徴として、複数のAIエンジン(ChatGPT、Claude、Gemini)を使い分けることの重要性を説明しました。

DX事業部 中村

「AIによって得意分野が違います。例えば長文作成はClaudeが得意、リアルタイム性の高い情報はPerplexityが得意というように。BuddieS(バディーズ)はそれらを最適に切り替えて使うことができるのです。」

■ 本編40分:実際の機能デモンストレーション

いよいよ本編のデモに入りました。商工会議所様の課題に沿って、以下の機能を順番にご紹介しました。

① 複数AIの使い分け・比較

まず、複数のAIエンジンを比較するデモから始めました。ChatGPT、Claude、Geminiに同じ質問をして、回答の違いを見ていただきました。1回の質問で、各AIから回答が返ってくるアプリを見ていただきました。

DX事業部 中村

「AIによって回答の質や内容が異なります。例えばリアルタイム性の高い情報はPerplexityが強いですし、長文や論理的な文章はClaudeが得意です。BuddieS(バディーズ)はこれらのAIを目的に応じて使い分けられます。」

② メール返信機能

続いて、Y様から「若い職員がビジネスメールの書き方に苦労している」という課題をお聞きしていたので、メール返信機能をデモしました。

受信したメールの内容と返信で伝えたい要点だけを入れると、フォーマルなビジネスメールを数秒で作成。O様に「7/22の14時からでお願い!」という簡単な指示だけで、丁寧な返信文が生成される様子を見ていただきました。

O様からのメール

株式会社サンロフト DX事業部 中村部長

いつもお世話になっています。I商工会議所のYです。
早速ですが、AI活用によるDX支援内容のお話をお聞きしたく貴社訪問を計画しています。
以下の候補日のご都合は如何でしょうか。ご検討願います。

【候補日】
 7/21 10:30  14:30
 7/22 10:30  14:30
 7/23 10:30  14:30

I商工会議所 コーディネータ Y

中村がAIに投げた文章

7/22の14時からでお願い!

BuddieS(バディーズ)からの出力

入力情報に基づき、最適なメール返信を作成いたします。

件名:
【7/22 14:30で承知】AI活用によるDX支援内容のご説明について

本文:
I商工会議所 Y様

いつもお世話になっております。
株式会社サンロフト DX事業部の中村です。

この度は弊社へのご訪問をご検討いただき、誠にありがとうございます。
ご連絡いただいた候補日の中から、7月22日(木) 14:30からのお時間でご対応させていただければと思います。

当日は、AI活用によるDX支援の具体的な事例や、貴所会員企業様への展開方法など、Y様のご関心に沿ったご説明ができればと考えております。特にお聞きになりたい点などございましたら、事前にお知らせいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社サンロフト
DX事業部 部長 中村

O様

「これは便利ですね。新人の職員がメールを書く時に、まず下書きとして使えそうです!」

③ ビジネス文書変換

次に、文書のスタイル変換機能をデモしました。
部下から上司への報告書や稟議申請、専門用語を一般向けに言い換える機能などを紹介しました。

DX事業部 中村

例えば、部下からのカジュアルな文章を上司向けの丁寧な文章に変換したり、技術者の専門的な説明を一般の方向けにわかりやすく言い換えたりすることができます。

Y様

「これは便利ですね。会員さんへの説明文書を作る時にも役立ちそうです。」

④ 文章校正・構成改善機能

簡素な文章を入力すると、読みやすく改行された文章に自動修正する機能をデモしました。

DX事業部 中村

「部下からちょっと見てくださいって言われた時に、1回これ通しておくとなんとなく安心感がありますよね。修正前後の比較も表示されるので、何がどう変わったのかが一目でわかります。」

修正前後の比較を表示し、「私たち」→「わたしたち」への変更理由なども示されるなど、細かな改善ポイントが説明されます。

⑤ マニュアル作成

属人化解消のために特に有効な「マニュアル作成支援」機能をデモしました。

DX事業部 中村

「担当者の雑多なメモをAIにいい感じにマニュアル化してもらうことができます。」

入力した雑多なメモ
■受注報告時のマニュアル
1)商談情報一覧を開き、該当案件を探す
URL:****

2)ステージ「受注状況確認」をクリックし、以下を入力
  ・売上予定日:製造に確認した売上予定月を記入
  ・売上日:製造に確認した売上月を記入
  ・税込金額
  ・案件コード:案件コード採番をクリック
  ・ランク:受注に変更
  ・証憑書類:検収書の要否を記入
   ※開発案件は検収書必須
   ※サイト制作・SNS・広告などの案件は、5万円以下であれば検収書は不要だが、作業完了が分かるお客様からのメールをいただく

3)注文書を「商談ドキュメント」にアップロード

4)注文書を「証憑書類」にアップロード

5)保存もしくはステージ「受注状況確認」の「次のステージ」をクリック

6)制作現場へ制作依頼と外注への発注を行う
BuddieS(バディーズ)からの出力
受注報告プロセスマニュアル
1. 業務概要
本マニュアルは、顧客から注文を受けた案件の受注報告手続きについて定めたものです。受注報告は、案件の正式な受注確定処理を行い、制作現場への作業依頼までの一連の流れを管理します。適切な受注報告により、案件の売上予測、進行管理、および証憑書類の管理が可能となります。

2. 業務フロー
□ CRMシステムで商談情報一覧を開き、該当案件を検索する
□ 案件のステージを「受注状況確認」に更新する
□ 必要な受注情報(売上予定日、金額、案件コード等)を入力する
□ 証憑書類の要否を確認し、記録する
□ 注文書を所定の場所にアップロードする
□ 情報を保存し、次のステージに進める
□ 制作現場および外注先への依頼・発注を行う

3. 詳細手順
3.1 商談情報の検索
以下のURLにアクセスして商談情報一覧を開く
URL:***
検索機能を使用して該当案件を探す
案件名、顧客名、担当者名などで検索可能

3.2 受注状況の更新と情報入力
該当案件の画面で「ステージ」セクションから「受注状況確認」をクリック
以下の情報を正確に入力する
売上予定日: 製造部門に確認した売上予定月を入力
売上日: 製造部門に確認した売上月を入力
税込金額: 注文書に記載された税込金額を入力
案件コード: 「案件コード採番」ボタンをクリックして自動採番
ランク: プルダウンから「受注」を選択
・
・
・
4. 補足情報
4.1 トラブルシューティング
問題	         対応方法
案件コードが採番できない	システム管理者に連絡し、手動での採番を依頼する
検収書の要否判断に迷う	基本的に開発案件は必須、その他は5万円を基準とする。不明点は経理部門に確認する
4.2 用語定義
証憑書類: 取引の証拠となる書類(注文書、検収書、発注書など)
検収書: 納品物や成果物の受領・完了を顧客が証明する書類
案件コード: 社内で案件を一意に識別するためのコード
4.3 関連情報
本マニュアルは受注報告のみを対象としています
請求処理や売上計上については別途マニュアルを参照してください
制作依頼・外注発注の詳細手順は、それぞれの専用マニュアルを確認してください
5. 最終確認項目
□ 案件情報(売上予定日、売上日、金額等)が正確に入力されているか
□ 案件コードが正しく採番されているか
□ ランクが「受注」に変更されているか
□ 証憑書類の要否が適切に判断され、記録されているか
□ 注文書が正しくアップロードされているか
□ 次のステージに進められているか
□ 制作依頼と外注発注が適切に行われているか

画面上で簡単なメモをAIに入力すると、整理された手順書が数秒で生成されました。

⑥ QA機能

「よくある質問」をAIが自動で回答する機能も紹介しました。

DX事業部 中村

「社内のよくある質問を登録しておくと、新人職員が『社用車の予約方法は?』といった質問をした時に、AIが自動で回答してくれます。わからないことがあれば、先輩に聞く前にまずAIに聞いてみる習慣ができます。」

Y様

これは興味深いですね。会員証でもいっぱいルールがあって、誰かに聞かないとわからないことが多いんです。こういうシステムがあれば、若い人たちがわざわざ邪魔しなくても気軽に聞ける環境ができそうです。

⑦ インスタグラム投稿文章作成

O様が担当されているSNS運用の課題に対応して、インスタグラム投稿のサポート機能もデモしました。

DX事業部 中村

「インスタグラムの投稿文を作るのに苦労されていると聞きました。特に担当者が変わると文体や情報量が異なってしまうという課題がありますよね。」

O様

「そうなんです。人によって文章のテイストが違うし、中の人が違うなってすぐわかっちゃうんですよ。」

テンプレート的なインスタ投稿のサンプル画像を見せながら、AIが画像内容を認識して適切な見出しや本文を提案する機能をデモしました。

DX事業部 中村

「文字数制限や、語尾の統一、ハッシュタグの選定なども自動でできます。また、商工会議所らしい言い回しのパターンを学習させることも可能です。」

⑧ 議事録作成機能

最後に、会議所で頻繁に行われる会議の議事録作成機能をデモしました。

DX事業部 中村

実は今この会議も録音させていただいています。後ほどこれを議事録に変換することができます。音声認識で話者も区別できますが、完璧ではないので人間のチェックは必要です。

Y様

「会議録作成はいつも大変なんです。特に専門用語が多い会議だと担当者が苦労しています。」

実際に過去の会議の録音データから作成した議事録のサンプルをお見せすると、「これなら使える」と前向きな反応をいただけました。

■ 最後の15分:今後のセミナー連携について

デモの最後には、今後の連携可能性について話し合いました。

O様からは「今後、経営ITサポート部会という新しい部会が始まる」という情報をいただき、AIセミナーの企画についても議論しました。

DX事業部 中村

セミナーでは、参加者に実際に体験していただくワークショップ形式がおすすめです。例えば、『メールの文章作成』や『業務の中でAIでできそうなものを探す』といった演習ができます。

O様

「そうですね。これまでは『AIとは何か』『ChatGPTってOpenAI社がやっている』みたいな話が多かったんですが、それよりも業務に落とし込んだ泥臭いような感じのAIの方が企業さんは聞きたいと思います。」

Y様

DXとかなんとかを皆さんやりましょうよって言っても、結局会社ごとに困っていることって違うんですよね。セミナーでは、具体的にこういうことをやってこういう成果があったという事例を紹介してもらえるとハードルが低くなりそうです。

デモ依頼はカンタンです!

BuddieS(バディーズ)のデモは、お客様のオフィスでも、オンラインでも実施可能です。
特別な準備は不要で、現在の課題や疑問をお持ちいただくだけでOK!

今回のように「業務の属人化を解消したい」「若手職員のメール作成を支援したい」「SNS運用を効率化したい」といった具体的な課題をお聞かせいただければ、それに即したデモをご用意します。

デモ終了後は、2週間の無料トライアル環境をご用意しますので、実際の業務で試していただくことも可能です。

デモ依頼はこちら!

「AIって難しそう…」と思っていた方も、実際に見ると「これなら使えそう!」と感じていただけるはず。
ぜひ一度、業務を変えるAIの力をご体験ください!


自治体や商工会議所でのAI活用はまだ始まったばかり。でも、属人化の解消や定型業務の効率化など、すぐに効果が出る分野から取り組むことで、少しずつデジタル化を進めることができます。

次回のデモ体験レポートもお楽しみに!

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この記事を書いた人

Webデザインからデジタルマーケティングまで、幅広い分野で活躍する革新的リーダー。2008年にサンロフト入社後、デザイナーからスタートし、30歳で同社最年少部長に就任。
現在はDX事業部を率い、Web提案、ディレクション、マーケティング、映像制作など多角的視点でビジネス課題を解決。Web解析士として「お客様目線」を徹底し、納品後も運用・改善・解析を通じて成果を追求。
2018年からはAIを活用したWeb解析サービスの開発に参画し、革新的ソリューションを創出。藤枝市・焼津商工会議所でのセミナーや企業コンサルティングでは実践的講演が高評価。「まずやってみる」の精神で、テクノロジーとアイデアを融合させビジネスを前進させる実践派プロフェッショナル。

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