【デザイナー検証】ChatGPT vs NanoBanana vs NanoBanana Pro|バナー制作に最適なAI画像生成ツールはどれ?

AI画像生成でバナーは本当に作れるのか?デザイナーが実務視点で徹底検証
AIでバナーを作りたいけど、どのツールを選べばいいかわからない
生成AIは触ったことがあるけど、実際に商用利用できるクオリティになるの?
こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ChatGPT、NanoBanana、NanoBanana Proなど、AI画像生成ツールは次々と登場していますが、それぞれの特徴や実際の使い勝手は使ってみないとわかりません。特に業務で使う場合、「生成して終わり」ではなく、修正の手間や商用利用の可否、コストパフォーマンスまで含めた総合的な判断が必要です。
今回は、サンロフトのデザインチーム「YARUra(やるら)」の北村さんに、3つの主要AI画像生成ツールを実際に使ってバナーを制作してもらい、商用利用を前提とした実務視点で徹底比較してもらいました。同じプロンプト、同じ素材写真を使って生成した結果を比較することで、各ツールの本当の実力が見えてきました。
この記事では、デザイナーがまとめた詳細な検証レポートをもとに、それぞれのツールの強み・弱み、そして「実務で本当に使えるのはどれか」をお伝えします。
【結論】業務で使うなら「NanoBanana Pro」一択
先に結論からお伝えします。
サンロフトのデザインチーム「YARUra」が3つのAI画像生成ツールを徹底検証した結果、商用バナー制作に最適なのは「NanoBanana Pro」という結論に至りました。

なぜNanoBanana Proが最適なのか?
最大の理由は「文字の正確性」です。
ChatGPTやNanoBanana(無料版)では、日本語テキストに以下のような問題が頻発しました。
- バナー内に記載する指定した文字が抜けてしまう
- 小さな文字が崩れて判読不能
- 吹き出しのデザインと文字の不整合
ところが、NanoBanana Proでは全ての文字が正確に生成されます。
これは商用利用において決定的なアドバンテージです。
さらに、NanoBanana Proには以下の特徴があります。
✅ ほぼ修正不要で商用利用可能なクオリティ
✅ 指定サイズに正確(1200px × 800pxなど、ピッタリ生成)
✅ 高画質で遠くからでも目を惹く配色
✅ 生成速度が速い(数十秒で完成)
✅ プロンプト入力のみで文字修正が可能
✅ 写真の拡張生成が自然
デザイナー北村NanoBanana Proは、文字の崩れがほぼなく、そのまま商用利用できるレベルでした!頻繁にバナーを作る業務なら、圧倒的にコスパが良いです!
3ツール簡易比較表
| 評価項目 | ChatGPT | NanoBanana | NanoBanana Pro |
|---|---|---|---|
| 文字精度 | △ 崩れ多い | △ 日本語弱い | ◎ 完璧 |
| 画質 | △ 低画質 | ◎ 高画質 | ◎ 高画質 |
| サイズ精度 | △ 大体 | △ 若干ずれ | ◎ ピッタリ |
| 生成速度 | △ 遅い | ◎ 速い | ◎ 速い |
| 修正作業 | 多い | 中程度 | ほぼ不要 |
| 商用利用 | △ 要修正 | ○ 可能 | ◎ 最適 |
| 推奨度 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
実際の生成結果を比較
同じプロンプト、同じ猫の写真を使って「くつろぎ」をテーマにしたバナーを生成した結果がこちらです。
ChatGPT


- シンプルで見やすい構図
- ただし、左下のボタンが猫と同化して見づらい
- 右下のロゴが怖い(イラスト生成は苦手?)
- 全体的に色味や構図が親しみやすい
NanoBanana


- 高画質で写真の切り抜きが綺麗
- 画像の拡張生成が自然
- ただし、文字配置のメリハリが少ない
- 右下のボタンの視認性は良い
NanoBanana Pro


- 全ての文字が正確に表示
- バナーらしい構図と配色
- 猫のポーズとメインコピーに関連性
- 猫のポーズや背景などが自然に生成されている
- 「くつろいでる感じ」の指示が的確に表現され、雰囲気が良い
実例:化粧水バナーの比較
実際に制作した化粧水のバナーで比較すると、その差は一目瞭然です。
NanoBanana(文字修正あり)


- 高画質で美しい
- ただし文字修正が必要だった
NanoBanana Pro(修正なし)


- 生成されたものをそのまま使用可能
- 修正作業ゼロで商用レベル
- より高級感のある仕上がり
どちらも商用利用可能なレベルですが、Proの方が高品質で修正不要という点が決定的です。
ここまでが結論部分です。
以下では、この検証を行ったサンロフトのデザインチーム「YARUra」の紹介、具体的な検証方法、そして各ツールの詳細な評価結果をご紹介していきます。
「もっと詳しく知りたい」「プロンプトの書き方が気になる」「修正作業の実態を知りたい」という方は、ぜひ続きをお読みください。
検証の背景
なぜこの検証を行ったのか



私(中村)がYARUraチームにこの検証を依頼した背景には、クライアントからの相談の増加がありました。
「AIでバナーをつくれますか?」
「どのツールを使えば、実際に使えるものができるの?」
このようなお問い合わせが多かったのです。
サンロフトでは、1992年の創業以来、Webサイト制作やシステム開発を通じて1,300社以上の中小企業を支援してきました。近年は特に、AI活用に関する相談が増えています。
しかし、AI画像生成ツールは次々と登場し、それぞれの特徴や実際の使い勝手は、実際に使ってみないとわかりません。特に中小企業のマーケティング担当者やデザイン業務を兼務している方にとっては、「どれを選べばいいのか」という判断が難しい状況でした。
そこで、実際にデザイン業務を行っているプロの視点で、商用利用を前提とした実務的な比較検証を行うことにしました。
検証をしてくれた、サンロフトのデザインチーム「YARUra(やるら)」とは


今回の検証を担当したのは、サンロフトのデザインチーム「YARUra(やるら)」です。
YARUraは、株式会社サンロフトの中で、各事業部に分散していたデザイナーを横断的に束ねるために組成された社内クリエイティブユニットです。
「やってみよう」「まずやる」という前向きな姿勢
チーム名の「YARUra(やるら)」には、「やってみよう」「まずやる」という前向きな姿勢と、静岡・焼津エリアの方言的な語感を掛け合わせた、親しみやすくポジティブなチームイメージが込められています。
この名前が示す通り、YARUraは新しい表現手法やツールに積極的にチャレンジし、実験的な制作にも取り組んでいます。
【担当領域】
- Webサイトデザイン
- グラフィックデザイン
- 映像制作
- SNSクリエイティブ
- 自社ブランド・サービスのデザイン制作
サンロフトのクリエイティブ領域全般を担い、クライアントワークだけでなく、自社サービスのブランディングやマーケティングクリエイティブも手がけています。
検証のスタンス
この検証は、以下の視点で行われています。
- 商用利用を前提とした評価
「趣味で使う」レベルではなく、実際にクライアントに納品できるクオリティかどうかを基準にしています。 - 実務視点での総合判断
生成のクオリティだけでなく、修正作業の手間、生成速度、コストパフォーマンスまで含めて評価しています。 - デザイナーならではの専門的な観点
文字の精度、色味の調整、構図のバランス、視線誘導など、デザインの専門知識を持つYARUraチームだからこそ見える品質面も評価しています。 - 中小企業の実態に即した検証
大手企業のように潤沢なデザインリソースがあるわけではない中小企業が、実際に導入・活用できるかという視点を重視しています。
デザイナーの率直なコメント
検証を担当したYARUraチームのデザイナー北村さんからは、こんなコメントがありました。
「最初は『AIでバナーなんて作れるの?』と半信半疑でしたが、NanoBanana Proの精度には正直驚きました。文字の崩れがほぼなく、そのまま使えるレベルです」
「ただし、ツールによって品質差が大きいのも事実。ChatGPTは面白い発想をしてくれますが、商用利用となると修正作業が多すぎます」
「今回の検証で、『AIツールは選び方次第』ということがよくわかりました。用途に合わせて使い分けることが大切ですね」
このように、プロのデザイナーが実際に手を動かして検証したからこそ見えてきた、リアルな評価とノウハウをこの記事ではお伝えしていきます。
どのように検証したのか?
今回の検証は、YARUraチームのデザイナー北村さんが手を上げてくれました。
そして、公平な比較を実現するために、以下の条件を統一して3つのツールを評価しました。
1. 比較対象ツール
ChatGPT(画像生成機能)
- OpenAIが提供する対話型AI「ChatGPT」の画像生成機能
- 多くの人が既に使っているため、導入ハードルが低い
- 有料プラン(ChatGPT Plus)で利用可能
NanoBanana(無料版)
- 日本語に対応したAI画像生成ツール
- 無料で利用できる
- 高画質な画像生成が特徴
NanoBanana Pro(有料版)
- NanoBananの上位版
- 商用利用を前提とした高精度な生成が可能
- 有料プランが必要 ※無料版だと1日3回まで
2. 検証方法
同一プロンプト・同一素材で公平に比較
検証の公平性を保つため、全てのツールに同じプロンプト(指示文)と同じ猫の写真を使用しました。
今回は、3パターンのバナーを制作。


- パターン①:【写真:左】グレーの猫(福ちゃん)の「ガチャンとしても、キョトン顔」バナー
- パターン②:【写真:中央】黒猫(黒ちゃん)の「ごクロうさま」バナー
- パターン③:【写真:右】茶トラ猫(うにちゃん)の「身の肥えたプリップリのうに!!」バナー
それぞれ個性豊かな猫の写真を使い、異なるテーマ・トーンのバナーを生成することで、各ツールの対応力も確認しました。



北村です!上記の画像もChatGPTで作成してみました!
[ プロンプト ]
広告バナーを作ってください
#キャッチコピー
AI生成でバナーをつくる
#ビジュアル
この写真の3匹の猫が、集まって虫眼鏡を覗いている様子
#背景
オフィス
#仕様
横長の画像
サイズは、幅1200px、高さ800px
構造化プロンプトテンプレートを使用
最初に、バナー制作に必要な要素を網羅した構造化プロンプトテンプレートを作成し、全てのツールで使用しました。
プロンプトテンプレートの構成要素
- 指示内容を統一し、公平な比較が可能
- バナーに必要な要素を漏れなく指定
- 再現性のある検証を実現
広告バナーを作ってください # 企画 ○○を伝えるバナー(伝えたいテーマ) # キャッチコピー ○○○○(見出しの大きな文字) # ボディーコピー ○○○○○○(見出しの補足、中くらいの文字) # ビジュアル ○○な見た目にして # 背景 ○○ # ロゴ ○○ # レスポンスデバイス ○○はこちら(詳細に誘導するボタンなど) # 仕様 サイズは、幅○○px、高さ○○px # レイアウト 代表的な広告レイアウト構成から選んで、視線誘導を考慮して(構図) # 印象 ○○な感じの印象にして(雰囲気など) ※写真素材がある場合は写真も添付
4-3. 評価基準
① 文字の正確性
- キャッチコピー、ボディーコピー、ボタンテキストが正確に表示されるか
- 日本語の助詞(「と」「は」など)が抜けていないか
- 小さな文字も判読可能か
- フォントが指示通りか
商用利用において最も重要な要素です。文字が崩れていると、修正作業が膨大になるだけでなく、ブランドイメージを損なう可能性があります。
② 画像品質
- 解像度は十分か
- 色味は適切か
- ノイズや不自然な部分はないか
- 遠くから見ても視認性が高いか
Web広告やSNSで使用する場合、サムネイル表示でも目を引く必要があるため、画質は重要な評価ポイントです。
③ サイズ指定の再現性
- 指定したサイズ(例:1200px × 800px)通りに生成されるか
- アスペクト比は正確か
実務では、各広告媒体で規定されたサイズに正確に合わせる必要があります。サイズが異なると、リサイズ作業が発生します。
④ 元写真の忠実度
- 添付した猫の写真を正確に再現しているか
- 猫の特徴(色、顔つき、体型)が保たれているか
- 不自然な変形や誇張はないか
ブランドやキャラクターの一貫性を保つため、元素材の忠実な再現は重要です。
⑤ 修正作業の必要性
- そのまま使えるクオリティか
- どの程度の修正が必要か
- 修正にどれくらいの時間がかかるか
実務における最大のポイントです。修正作業が多いと、結局「AIを使う意味がない」ということになりかねません。
⑥ 商用利用の実用性
- クライアントに納品できるクオリティか
- ブランドイメージを損なわないか
- プロフェッショナルな仕上がりか
趣味レベルではなく、実際のビジネスで使えるかどうかを厳しく評価しました。
検証のプロセス
検証は以下のステップで進めました。
同じプロンプトと写真で、3つのツール全てで画像を生成
6つの評価基準に基づいて、生成結果を詳細にチェック
満足できない場合は、指示を調整して再生成 (何度再生成が必要か、も評価ポイント)
AIツールで完璧にならない部分を、別ツール(Miri Canvasなど)で修正
「トータルでどれだけ効率的か」「実務で本当に使えるか」を総合判断
【検証】パターン①:グレー猫「ガチャンとしても、キョトン顔」バナー
ここからは、3つのパターンそれぞれについて、実際にどのようなプロンプトを入力し、どのような結果が得られたのかを詳しくご紹介します。
各ツールの生成結果を比較することで、それぞれの特徴や得意・不得意が明確に見えてきます。
このパターンのポイント
- アメコミ風という独特のトーン指定
- 「写真」と「漫画調」の融合という難しい要求
- 割ったお皿という小道具の配置


広告バナーを作ってください
# 企画
我が家の個性豊かな猫を紹介するバナー
# キャッチコピー
ガチャンとしても、キョトン顔
# ボディーコピー
耳が聞こえないって、悪いことばかりじゃないよ。
# ビジュアル
何をしたか理解していないキョトン顔のグレーの猫。
写真を参考にして。
割ったお皿も見えるように配置して。
# 背景
家の中
# ロゴ
架空のロゴ「KITAMURA HUKU」
# レスポンスデバイス
ふくと遊びたい方はこちらをクリック!
# 仕様
横長の画像
サイズは、幅1200px、高さ800px
# レイアウト
代表的な広告レイアウト構成から選んで、視線誘導を考慮して。
# 印象
大惨事にも関わらず、何が起こっているのかよく分かっていない猫の様子をアメコミ風にして。
猫はリアルな写真で、リアル調の漫画にして。
※グレー猫(福ちゃん)の写真を添付
【ChatGPT】生成結果と評価


- 文字の崩れ:キャッチコピー「ガチャンとしても」の「と」が抜けて「ガチャンしても」に
- 猫の表現:イラスト調になってしまい、リアルな写真を使ってほしいという指示が反映されず
- アメコミ風の雰囲気:吹き出しや配色はアメコミっぽさが出ている
- 猫の顔つき:「キョトン顔」というより、きりっとした顔になっている



キャッチコピーの『と』が抜けているのは致命的。猫をイラストにしないでほしいと明記したのに、イラスト調になってしまった点も残念。ただ、アメコミ風の雰囲気は面白い!
納得いかないので、再生成
現状:惜しい!キャッチコピーだけ「と」が抜けている
キャッチコピーを、「ガチャンとしても、キョトン顔」に変更して
猫はきりっとした顔ではなくて、キョトン顔にして
猫は漫画調ではなく写真で、背景だけアメコミ調にして
猫は、写真をほぼそのまま使って


【ChatGPT】再生成結果と評価


今度は「キョトン顔」の文字が消え、雰囲気も変わってしまいました。
- 文字の精度は諦めた方がよさそう
- 前の画像を元に生成するので、毎回指示に元画像を入れないといけないかも
修正作業の必要性:高
【NanoBanana】生成結果と評価


- 文字の精度:キャッチコピーは概ね正確だが、若干の崩れあり
- 猫の表現:写真ベースでリアルに表現されている
- アメコミ風の雰囲気:背景が漫画調で、指示が反映されている
- 画像サイズ:元写真に合わせられる傾向があり、指定サイズと若干異なる
修正作業の必要性:中



猫の写真がほぼそのまま使われていて、切り抜きも綺麗。アメコミ風の背景も良い感じ。ただ、文字の精度が気になるので、修正が必要!
【NanoBanana Pro】生成結果と評価


- 文字の精度:「ガチャンとしても、キョトン顔」が完璧に表示
- 猫の表現:グレーの猫の特徴を捉えつつ、キョトン顔に
- アメコミ風の雰囲気:「CRASH!」「BAM!」などの効果音、カラフルな背景
- 画像サイズ:指定通り1200px × 800pxで生成
- 全体のバランス:バナーらしい構図で、遠くからでも目を惹く
修正作業の必要性:ほぼ不要
パターン①:ChatGPT とNanoBanana とNanoBanana Pro 詳しく比較


パターン②:黒猫「ごクロうさま」バナー
次は、黒猫の「ごクロうさま」バナーを作成します。
このパターンのポイント
- 「くつろぎ」「癒し」という雰囲気の表現
- 猫のポーズとコピーの関連性
- 落ち着いたトーンのデザイン


広告バナーを作ってください
# 企画
我が家の個性豊かな猫を紹介するバナー
# キャッチコピー
ごクロうさま。
# ボディーコピー
一緒に「ゴロゴロ」しようぜぇ。
# ビジュアル
少し目つきの悪い、落ち着いた大柄な猫が、寝そべっている様子。
おなか、背中を、添付写真のようにしっかり画面に含めて。
毛はモフモフに表現して。
# 背景
家の中、布団の上
# ロゴ
架空のロゴ、「KITAMURA KURO」
# レスポンスデバイス
くろとくつろぎたい方はこちら
# 仕様
横長の画像
サイズは、幅1200px、高さ800px
# 印象
安心感や落ち着き、癒し。
キャッチコピーとボディーコピーは、猫が人に語りかけている感じにして。
添付した猫の写真を、ほぼそのまま使って。
見ている人が、この猫とくつろぎたくなるデザインにして。
※黒猫(黒ちゃん)の写真を添付
【ChatGPT】生成結果と評価


- 全体の雰囲気:色味や構図が親しみやすく、くつろぎ感がある
- 猫のポーズ:寝そべっている様子が表現されている
- 左下のボタン:猫と同化して見づらい(黒×黒で視認性が悪い)
- 右下のロゴ:崩れていて、怖い印象(イラスト生成は苦手?)
- 文字の配置:大きな文字は崩れが少ない
修正作業の必要性:中~高



『くつろいでる感じ』の指示が的確に表現され、雰囲気は良い。ただし、左下のボタンの色が同化しているのは致命的。
商用利用前に色の修正が必須!
【NanoBanana】生成結果と評価


- 画像の拡張生成:元写真の布団や背景が自然に拡張されている
- 右下のボタン:視認性が良い
- 文字配置のメリハリ:少し平坦な印象
- くつろぎ感の表現:指示はあまり反映されていない
修正作業の必要性:中



写真の拡張が本当に自然。元写真をそのまま使ってくれる点は高評価。
ただ、『くつろぎ』の雰囲気がもう少し欲しかった!
【NanoBanana Pro】生成結果と評価


- 猫のポーズと背景:自然に生成されている
- 猫のポーズとメインコピーの関連性:「ゴロゴロしようぜぇ」との相性が良い
- くつろぎ感の表現:指示が的確に表現され、雰囲気が良い
- 文字の精度:全て正確
- 全体のバランス:柔らかいフォント、温かみのある配色
修正作業の必要性:中



猫が語りかけている感じが見事に表現されている。
フォントの選択も雰囲気にマッチしていて、細部まで完成度が高い!
NanoBanana Pro で文言修正はできる?
「ごクロうさま」の文字を
「おつかれさま」に修正して


プロンプトのみで、文字だけを修正することに成功。
デザイン全体は維持されたまま、細部のブラッシュアップが可能でした。
パターン②:ChatGPT とNanoBanana とNanoBanana Pro 詳しく比較


パターン③:茶トラ猫「身の肥えたプリップリのうに!!」バナー
次は、茶トラ猫とウニのバナー制作です。
このパターンのポイント
- 「高級寿司」という独特のテーマ
- 「和」の雰囲気と「高級感」の表現
- 文字の強調表現(「うに」を大きく)


広告バナーを作ってください
# 企画
我が家の個性豊かな猫を紹介するバナー
# キャッチコピー
身の肥えた プリップリのうに!!
(「うに」の文字だけ大きくドーンと強調して)
# ボディーコピー
まるまるとした柔らかな身を、存分にご堪能ください。
# ビジュアル
猫(添付写真をそのまま使って。)が、
いくつかの雲丹に囲まれて、でっぷりとした体で寝そべっている様子。
顔を大きめにして、モフモフのおなか、背中も画面に強調して。
画面外に画像は切れても大丈夫です。
毛はモフモフに表現して。
# 背景
高級感のありそうな黒と繊細な金を少し入れて。
# ロゴ
架空のロゴ、「KITAMURA UNI」
# レスポンスデバイス
うにのご予約はこちら
# 仕様
横長の画像
サイズは、幅1200px、高さ800px
# 印象
高級感のある、和の感じ。
高級寿司の広告チラシのようにして。
キャッチコピーとボディーコピーは中央ぞろえで、力強くドーンって感じにして。
※茶トラ猫(うにちゃん)の写真を添付
【ChatGPT】生成結果と評価


- 「うに」の文字強調:指示通り大きく配置されている
- 雲丹を軍艦寿司に:再生成の指示で正しく対応
- 猫の体型:写真の猫よりかなり太っている(忠実度が低い)
- 背景の金:少なすぎる
修正作業の必要性:高
納得いかないので、再生成
以下の点だけ修正して。
・猫を添付の写真の猫と同一にして。今のバナーの猫は太りすぎているので、写真を忠実にして。
・左下の雲丹を、軍艦寿司にして複数置いて。
・キャッチコピーの文字を高級すし広告のような、和風で力強い毛筆風タッチのフォントにして。


【ChatGPT】生成結果と評価


- 大きな文字は良さげだが、小さな文字は精度が高くない
- 再生成すると、残しておいて欲しかった要素が消されてしまうことがある
- 元にしたい写真を使う場合、あまり忠実でなく生成されることが多い
修正作業の必要性:中



『うに』の文字をドーンと配置する指示はうまく反映されている。
ただ、猫が添付写真と顔も体型も違いすぎる。元写真への忠実度が低い!
【NanoBanana】生成結果と評価


- 元写真の忠実度:猫の写真をそのまま使ってくれる
- 文字配置のメリハリ:「うに」の強調が弱い
- 雲丹を軍艦寿司に:この指示ができない(日本語対応の弱さ?)
修正作業の必要性:中~高



写真の猫はほぼそのまま。ただ、文字の配置にメリハリがなく、『うに!!』という勢いが出ていない。日本語の細かいニュアンスが伝わりにくい印象
【NanoBanana Pro】生成結果と評価


- 「うに」の文字強調:指示通り力強くドーンと配置
- 雲丹を軍艦寿司に:再生成の指示で正しく対応
- 猫の特徴:写真の猫の特徴をよく捉えている
- 高級感:黒と金の配色、和の雰囲気が見事
- 文字の精度:全て完璧
修正作業の必要性:小



高級寿司の広告という難しいテーマを見事に表現。『うに!!』の文字が力強く、インパクトがある。金の柄も取り入れられていて、基本はこのままで十分商用利用できる
パターン③:ChatGPT とNanoBanana とNanoBanana Pro 詳しく比較


3パターンの検証から見えたこと
3つのパターンを通じて、各ツールの特徴が明確になりました。
ChatGPT
- ✅ 面白い発想、多様な表現が可能
- ❌ 文字の崩れが頻発
- ❌ 元写真への忠実度が低い
- ❌ 修正作業が多い
NanoBanana
- ✅ 元写真をほぼそのまま使用
- ✅ 高画質
- ❌ 日本語の細かいニュアンスが伝わりにくい
- ❌ 文字配置のメリハリが弱い
NanoBanana Pro
- ✅ 文字が完璧
- ✅ 複雑な指示も正確に反映
- ✅ バナーとして完成度が高い
- ✅ 修正作業がほぼ不要
AIで画像生成後の修正作業はどうする?
AI画像生成ツールで「完璧なバナー」が一発で生成されることは稀です。特にChatGPTやNanoBananaでは、文字の崩れや細部の調整が必要になることがほとんどでした。
ここでは、実際にどのような崩れが発生し、どのように修正したのかをご紹介します。
崩れは加筆修正しよう! 前後の文字の比較
文字修正は、AIで削除し、文字を打ち直して微調整をしていきます。


その他要素の前後の加筆内容の比較
同様に、色味やフォント、ボタン、装飾などを別ツールでデザイナーが加えていきます。


今回使用した修正ツール
実際に使用した修正ツールをご紹介します。


Miri Canvas(ミリキャンバス)
公式サイト: https://www.miricanvas.com
- AIを活用した画像編集ツール
- 初心者でも直感的に操作できるシンプルなUI
- ブラウザ上で動作(インストール不要)
- 1ヶ月間は多くの機能が無料、以降は一部有料
実際の修正画面はこちら


業務で使うなら!?
NanoBanana一択!
- NanoBanana 系はスピードが早く、画像をサクサク生成できるのが高評価!
- NanoBanana 系の方が写真の加工や、拡張生成、切り抜きが高品質なので、元写真がある場合はうまくできそう
- NanoBanana Pro は、Pro なだけあってプロが納品するクオリティに近いバナーが生成でき、ほぼ修正なくそのまま使えそう
- よくバナーを作るならば、Pro の方がコスパが良い
企業のバナーとして使える?NanoBanana VS NanoBanana Pro
- どちらもバナーとしては使えるが、クオリティーが高いのは右(NanoBanana Pro)
- NanoBanana は、文字の崩れがとても多いので、必須の加筆修正ができれば十分使える
NanoBanana で生成+文字修正


NanoBanana Pro で生成( 修正なし)


AIによるバナー画像生成導入のメリット
メリット1:制作時間の大幅削減
削減率:最大95%の時短
合計:2.5〜4.5時間
- デザイナーへの依頼・ヒアリング(30分〜1時間)
- ラフ案の作成(1〜2時間)
- フィードバック・修正(30分〜1時間)
- 最終調整(30分)
合計:5〜15分
- プロンプト作成・生成(5〜10分)
- 微調整(0〜5分)
月に15〜20本のSNSやWeb広告用バナーを作成している場合、導入前後でのコストメリットも大きいです。
デザイナーの採用が難しい地方の中小企業にとって、この効果は計り知れません。
導入前
- 外注費:1本あたり5,000円〜10,000円
- 月額コスト:75,000円〜200,000円
- 納期:依頼から納品まで3〜5営業日
導入後(NanoBanana Pro)
- ツール利用費:月額数千円程度
- 社内で即日作成可能
- 月額コスト削減:70,000円〜195,000円
- 年間削減額:840,000円〜2,340,000円
メリット2:デザイナーリソースの効率化
AI画像生成を導入しても、デザイナーの仕事がなくなるわけではありません。
むしろ、デザイナーがより価値の高い仕事に集中できるようになります。
- 定型的なバナー制作
- SNS投稿用のビジュアル
- A/Bテスト用の複数パターン生成
- 社内資料用の図版
- ブランド戦略の立案
- クリエイティブディレクション
- UX/UIの設計
- 高度なビジュアルデザイン
- クライアントとのコミュニケーション
メリット3:A/Bテスト用素材の量産
マーケティング施策では、複数パターンのクリエイティブを試して最適解を見つけることが重要です。
従来は、コストと時間の関係で「1〜2パターンしか試せない」という制約がありましたが、AI画像生成を使えば複数案を量産できるため、アイディア出しとして活用できます。
従来
- パターンA、Bの2案を制作
- 制作費:20,000円
- 制作期間:3日間
AI活用後
- パターンA〜Jの10案を制作
- 制作費:ツール利用料のみ
- 制作期間:1〜2時間
メリット4:非デザイナーでもクオリティの高いビジュアルを作成可能
中小企業では、「デザイナーがいない」「マーケティング担当者がデザインも兼務している」というケースが多くあります。
- PowerPointで作ったバナーは素人感が出る
- 無料素材サイトの画像では差別化できない
- 外注するほどの予算はない
特にNanoBanana Proは、構造化されたプロンプトテンプレートを使えば、デザインの専門知識がなくても、プロ並みのバナーが作れます。
- プロンプトに従って入力するだけ
- フォント選択、配色、レイアウトを自動で最適化
- デザインの「センス」に頼らなくても完成度が高い
AI画像生成の著作権と商用利用 ―安全に活用するための必須知識―
AI画像生成ツールの利用が広がる中で、「著作権は大丈夫なのか?」「商用利用しても問題ないのか?」という疑問や不安の声が多く聞かれます。
ここでは、2025年12月時点の最新情報をもとに、ChatGPT、NanoBanana、NanoBanana Proそれぞれの著作権と商用利用に関するルールを整理し、安全に活用するための注意点をご紹介します。
各ツールの商用利用と著作権規定(2025年12月時点)
ChatGPT(画像生成機能)
商用利用:可能
- OpenAIの利用規約上、ChatGPTで生成したコンテンツの商用利用は認められています
- 有料プラン(ChatGPT Plus、Team、Enterprise)での利用が前提
■著作権の帰属
- 生成物の権利は利用者にあるとOpenAIは規定しています
- ただし、責任も利用者が負うことが明記されています
■重要な注意点
- AI生成物自体には著作権が発生しにくい
- 日本の著作権法では「人間の思想または感情を創作的に表現したもの」が著作物
- AIが自動生成しただけの画像には、原則として著作権は発生しない(文化庁見解)
- 既存作品との類似性リスク
- 学習データに著作権で保護された画像が含まれているため、生成画像が既存作品に酷似する可能性あり
- 特定のキャラクターやアート作品に似た画像を生成・利用すると著作権侵害のリスク
- 「ジブリ風」「○○作家風」は要注意
- 画風や作風の模倣自体は必ずしも著作権侵害ではない
- ただし、特定キャラクターや構図を再現すると侵害になる可能性
- C2PAメタデータの付与
- 2025年3月以降、ChatGPTの4o Image Generationで生成された画像には、AI生成であることを示すC2PAメタデータが含まれる
【参考情報】OpenAI利用規約:https://openai.com/policies/terms-of-use
NanoBanana / NanoBanana Pro
商用利用:条件付きで可能
利用するプラットフォームによって条件が異なります
| プラットフォーム | 商用利用 | データ学習 | 法的補償 | 推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| Geminiアプリ(無料/個人有料) | 非推奨 | される | なし | △ |
| Google AI Studio(無料枠) | 可能だが自己責任 | される | なし | △ |
| Google AI Studio(有料枠) | 可能 | されない | なし | ○ |
| Google Workspace / Vertex AI | 可能 | されない | あり | ◎ |
■著作権の帰属
- Googleは生成物の権利を主張しない
- ただし、「所有権が利用者にある」とは明言されていない
■重要な注意点
- SynthID(透かし)について
- 不可視のデジタル透かし「SynthID」が埋め込まれる
- これは商用利用を禁止するものではなく、AI生成画像であることの証跡
- SynthIDは不可視透かしとしてAI生成を示すもので、商用禁止ではなく削除も通常不要です。
- 視認可能なロゴマーク
- Geminiアプリで生成した画像の右下に小さなロゴが表示される場合がある
- これは透かしではなく、トリミングして使用することは可能
- ただし、ビジネス利用ならGoogle WorkspaceやVertex AI経由での利用を推奨
- 法的補償(Indemnity)
- Google Workspace / Vertex AI利用時のみ、著作権侵害に関する補償が提供される
- 「If you are challenged on copyright grounds, we will assume responsibility for the potential legal risks involved.」(著作権上の理由で異議が申し立てられた場合、法的リスクについてはGoogleが責任を負います)
- ただし、意図的に他者の権利を侵害するプロンプトを使っていないことが条件
- NanoBanana Proの正式版移行
- 2025年11月に「NanoBanana Pro」が登場
- 2025年10月に「NanoBanana」(Gemini 2.5 Flash Image)は一般提供(GA版)に移行
- プレビュー版ではなく、正式版として安定したビジネス利用が可能に
参考情報:Google Cloud補償ポリシー:https://cloud.google.com/terms/service-terms
商用利用時の実務的な注意点
1. 最終チェックは必ず人の目で
AI生成画像をそのまま使用せず、必ず人によるチェックを挟みましょう。
チェックすべきポイント
- 既存の著作物に似ていないか(Google画像検索などで確認)
- 実在の人物やキャラクターが含まれていないか
- ブランドロゴや商標が含まれていないか
- 差別的・攻撃的な表現がないか
2. 禁止されている用途を理解する
各ツールの利用規約で明確に禁止されている用途があります。
共通の禁止事項
- 他者の著作権・商標を侵害するコンテンツ
- 実在の人物(特に著名人・未成年者)のディープフェイク
- 性的・暴力的・差別的なコンテンツ
- 詐欺的な目的での使用
- 医療・法律・金融に関する誤情報の拡散
3. AIで生成した画像であることの明示
トラブル防止のため、AI生成画像であることを明記することを推奨します。
表記例
- 「この画像はAIによって生成されました」
- 「AI-generated image」
- 小さくクレジット表記を入れる
4. 利用規約は定期的に確認
AI関連の規約は頻繁に更新されます。
- 重要な案件では、生成前に最新の利用規約を確認
- 規約変更のアナウンスに注意
- 不安な場合は専門家(弁護士など)に相談
5. 証跡管理の徹底
商用利用時は、以下の記録を残しておくことを推奨します。
- 生成日時
- 使用したプロンプト
- 生成に使用したツール・プラン
- 最終チェックを行った担当者
- 承認プロセスの記録
後からトラブルが発生した際、「意図的な侵害ではない」ことを証明しやすくなります。
著作権侵害と判断される2つの基準
法的に著作権侵害かどうかは、以下の2つの基準で判断されます。
1. 類似性
生成画像が、既存の著作物の表現上の本質的な特徴を感じ取れるほど似ているか
2. 依拠性
既存の創作物を参考にして(真似て)作ったと判断できるか
重要: プロンプトに「○○風」「○○のような」と入れた場合、依拠性が認められやすくなります。
まとめ
今回、サンロフトのデザインチーム「YARUra」の北村さんが、ChatGPT、NanoBanana、NanoBanana Proの3つのAI画像生成ツールを実務視点で徹底検証しました。
検証の結論:商用バナー制作には「NanoBanana Pro」が最適
最大の理由は「文字の正確性」です。ChatGPTやNanoBananaでは日本語テキストの崩れが頻発しましたが、NanoBanana Proでは全ての文字が正確に生成され、ほぼ修正不要で商用利用できるクオリティを実現しました。
ただし、AI画像生成を商用利用する際は、著作権や利用規約への配慮が不可欠です。特にビジネス利用では、Google Workspace / Vertex AI経由でのNanoBanana Pro利用が、法的補償も提供されるため最も安全です。
AI画像生成は、適切なツール選択と正しい知識があれば、中小企業のマーケティング活動を大きく加速させる強力な武器となります。



正直、最初は半信半疑でしたが、NanoBanana Proの完成度には驚きました!これならデザイナーは定型作業から解放され、もっとクリエイティブな仕事に集中できます。AIは敵ではなく、最高のバディーです!
ちなみに、以下の画像はNanoBananaで作成しました。
▼プロンプト
3匹の猫が、感謝のお辞儀をしている画像を生成して。また、目の前にパソコンを置いて作業していたような風景にして。





