中小企業が今すぐ始めるべきAI活用戦略 – 導入実態調査から実演デモ、セキュリティ対策まで完全解説

2025年9月7日、国立青少年交流の家にて「業務効率を高める生成AI活用体験セミナー」を開催いたしました。本セミナーでは、弊社が実施した111社のAI導入実態調査で明らかになった「42.3%の企業がすでにAI導入済み」という現状を踏まえ、中小企業が今すぐ始められる具体的なAI活用方法を実演を交えて解説しました。
「AIを使いこなせない人の仕事がなくなる」時代において、ChatGPTをはじめとする生成AIを業務でどう活用すべきか。画像解析から記事作成、プログラミングまで幅広い活用例の実演、業務プロセスを細分化してAI活用箇所を特定する「業務改善思考」の手法、そして情報漏洩・著作権侵害といったセキュリティリスク対策まで、実践的な内容をお届けしました。
参加者の皆様には、弊社開発のAIプラットフォーム「BuddieS(バディーズ)」の1ヶ月無料体験も提供し、実際のAI導入への第一歩をサポートしています。
本記事では、セミナーの内容を詳しくレポートし、中小企業のAI活用推進に向けた実践的な情報をお届けします。
1. はじめに – セミナー開催の背景
2025年9月7日、国立青少年交流の家にて「業務効率を高める生成AI活用体験セミナー」を開催いたしました。本セミナーは、ブロック大会2025年度ビジネス委員会の一環として実施され、中小企業や個人事業主の皆様を対象に、生成AIの実務活用方法を体験していただくことを目的としました。
セミナー開催の背景
AI技術の急速な進化

現在、AI技術は驚異的なスピードで進化を続けています。2012年にはミツバチ程度だった人工知能が、2016年にはカラス程度、そして2022年には人間の知能を超えるレベルに到達しました。わずか10年間で約1億倍賢くなったとされるこの技術革新は、ビジネスの現場に大きな変化をもたらしています。
特にここ数ヶ月の進化は著しく、数ヶ月経つと全く状況が変わってしまうほどの変化の速さです。だからこそ、今から生成AIに触れておくことで、次に何が変わり、どのようなことができるようになるかという発想力に大きな差が生まれます。
「AIを使いこなせない人の仕事がなくなる」時代の到来

よく「AIによって仕事がなくなるのでは?」という不安の声を耳にします。しかし、実際には「AIを使いこなせない人の仕事が減ってしまう」というのが正確な表現です。AIそのものが仕事を奪うのではなく、AIを活用できる人とできない人の間で生産性に大きな差が生まれることが予想されます。
セミナー対象者と参加者層
本セミナーは、以下のような方々を主な対象として企画いたしました。
- 生成AIやChatGPTについて初めて学ぶ方
- 少し触ったことがある初級者の方
参加者の皆様に手を挙げていただいたところ、「少し触ったことがある」という層が最も多く、完全な初心者と上級者は少数でした。このため、基本的な概念から実践的な活用方法まで、幅広くカバーする内容で構成いたしました。
セミナーの特色と提供価値
本セミナーでは、単なる理論説明に留まらず、以下の特色ある内容をお話しました。



- 実際のAI導入実態調査データの発表
- ChatGPTを使った実演デモンストレーション
- 業務プロセス改善の具体的手法の解説
- 自社開発AIプラットフォーム「BuddieS」の体験機会
- セキュリティリスクと対策の詳細説明
会場では講演に加え、BuddieS(バディーズ)の体験ブースも設置し、参加者の皆様に実際にAIツールを試していただける機会も提供いたしました。このように、理論と実践を組み合わせた構成で、すぐに業務に活かせる実践的な知識をお持ち帰りいただけるよう配慮いたしました。
2. 【衝撃データ】中小企業AI導入実態調査の結果発表
弊社では、中小企業における生成AI導入の実態を把握するため、2025年7月11日から31日の20日間にわたり、111社を対象とした独自調査を実施いたしました。この調査結果は、中小企業のAI活用がどこまで進んでいるかを示す貴重なデータとなりました。
AI導入状況の全体像

調査結果で最も注目すべき点は、42.3%の企業がすでに生成AIを導入済みという事実でした。さらに詳しく内訳を見ると:
- すでに導入済み:42.3%
- 検討中(6ヶ月以内):7.2%
- 検討中(未定):16.2%
- 関心あり/検討はしていない:30.6%
- 関心がない:3.6%
検討中も含めると約3分の2の企業が生成AIの活用に前向きであることが判明しました。これは、中小企業におけるAI活用が想像以上に進んでいることを示す驚きの結果でした。
業種別・規模別の導入傾向

業種別導入率の特徴
業種別の導入状況を分析すると、興味深い傾向が見えてきました。
| 業種 | 調査企業数 | 導入済み企業数 | 導入率 |
|---|---|---|---|
| 情報通信業 | 14社 | 12社 | 85.71% |
| 製造業 | 24社 | 9社 | 37.50% |
| 建設業 | 12社 | 5社 | 41.67% |
| サービス業 | 15社 | 5社 | 33.33% |
| 卸売・小売業 | 9社 | 5社 | 55.56% |
| 金融・保険業 | 6社 | 2社 | 33.33% |
情報通信業での導入率が85%と最も高いのは予想通りでしたが、注目すべきは製造業でも37%、建設業でも40%と、各業種で3割以上の企業がすでに導入を始めている点です。これは、AI活用が特定の業種に限定されるものではなく、業種を問わず広がっていることを示しています。
企業規模別の意外な結果
企業規模別の分析では、予想を覆す結果が得られました。
| 企業規模 | 調査企業数 | 導入済み企業数 | 導入率 |
|---|---|---|---|
| 5人以下 | 12社 | 6社 | 50.00% |
| 6-20人 | 23社 | 13社 | 56.50% |
| 21-50人 | 17社 | 3社 | 17.60% |
| 51-100人 | 18社 | 10社 | 55.60% |
| 101-300人 | 24社 | 11社 | 45.80% |
| 301人以上 | 17社 | 4社 | 23.50% |
小規模企業(6-20人)で最も高い導入率(56.5%)となり、大企業よりも小規模企業の方が導入率が高いという意外な結果となりました。これは、小回りの利く企業や、経営者がAI活用にコミットしている企業の方が導入が進んでいることを示唆しています。
導入されているAIツールの種類

導入済み企業(47社)が実際に使用しているAIツールを調査したところ、以下の結果となりました。
| AIツールの種類 | 導入企業数 | 導入率 |
|---|---|---|
| 生成AI(ChatGPT、Claude、Copilot等) | 45社 | 95.70% |
| 議事録作成 | 22社 | 46.80% |
| データ分析・レポート自動生成 | 14社 | 29.80% |
| マーケティング・SNS・広告最適化 | 11社 | 23.40% |
| 画像・動画処理 | 8社 | 17.00% |
| 翻訳・多言語対応 | 8社 | 17.00% |
| チャットボット(顧客対応) | 5社 | 10.60% |
| 会計・経理システムのAI機能 | 4社 | 8.50% |
| 人事・採用支援 | 2社 | 4.30% |
導入企業の95%以上がChatGPTなどのテキスト生成AIを活用しており、次いで議事録作成(47%)が続いています。これは、導入のハードルが比較的低い生成AIが圧倒的に多く、特定業務の効率化に焦点を当てたツールが続いていることを示しています。
調査結果から見える傾向
この調査結果から、以下の重要な傾向が明らかになりました。
- 中小企業でも想像以上にAI導入が進んでいる
- 小規模企業ほど導入に積極的
- 業種を問わずAI活用が広がっている
- 「小さく始めて効果を確認する」アプローチが主流
これらのデータは、中小企業がAI活用において様子見から本格導入へと移行している転換点にあることを示しており、今がまさにAI導入の好機であることを裏付けています。
3. ChatGPT(GPT-5)の最新機能と業務活用実演

セミナーでは、ChatGPTの最新機能について詳しく解説し、実際の業務でどのように活用できるかを実演を交えてご紹介いたしました。ChatGPTは元々テキスト系生成AIとして知られていましたが、現在では画像生成・分析、ウェブ検索機能も追加され、日々新しい機能が追加されています。
GPT-5の革新的な進化

2025年8月7日に登場したGPT-5(GPT File)は、従来のモデルから大きく進化しました。最も注目すべき特徴は、「考える力」を内蔵し、状況に合わせて思考の深さを自動で切り替える機能です。
従来は、GPT-4やGPT-4o3などの推論モデルを手動で選択する必要があり、どれを使えばよいか分からないという声が多くありました。GPT-5では、質問内容に応じて裏側で自動的に適切な推論モデルに切り替えてくれるエージェント機能が備わっています。
主な特徴
- 簡単な質問は素早く、難しい問題は段階的に考えて正確に回答
- 文章作成やプログラミング、画像付きの質問、健康の相談まで品質が向上
- 作り話(幻覚)が大幅に減少
- 長い資料も一度に処理可能
- 安全性が強化され、危険な内容を避けて正直な回答を提供
GPT-5については、以下の記事で詳しくまとめていますので、よろしければご覧ください。

実演1:高精度な画像解析機能

セミナーでは、弊社の展示会ブース写真をChatGPTに読み込ませ、その画像解析能力の高さを実演いたしました。
実演内容: 画質があまり良くない展示会の写真から、ChatGPTは以下の詳細な情報を正確に読み取りました。
- 小さく書かれた「株式会社サンロフト」の文字
- 「AIコンテンツ生成サービスBuddieS」という看板の文字
- 「展示会またはイベントブースの様子」という状況判断
- 人物の服装や表情、ポーズの詳細描写(スーツ姿の男性2人、親しみやすい笑顔、片手の親指を立てたポーズなど)
- キャラクター「バディくん」の特徴(黄色い髪型、緑のスーツ、赤いネクタイ)
実演URL: https://chatgpt.com/share/68bd147f-0f74-8004-b8df-0284c99b4823
実演2:リサーチ・市場調査の自動化

「静岡県の中小企業のAI導入調査をまとめて」という指示だけで、ChatGPTが包括的なレポートを自動作成する様子を実演いたしました。
実演結果
- 弊社の調査結果と静岡県の公的データを組み合わせた分析
- 情報源のリンク付きで信頼性を確保
- 他社の類似調査結果も自動で収集・統合
この機能により、市場調査や競合分析の時間を大幅に短縮できることを実証いたしました。
実演URL: https://chatgpt.com/share/68bd1461-4360-8004-89e1-d9175f7d9af0
実演3:記事作成とマーケティング効果

「GPT-5の記事を書いて」という簡単な指示で、SEOを考慮したブログ記事を自動生成する実演を行いました。
実際の成果事例

弊社では、AIで月100件ほどの記事を自動生成し、以下の成果を上げています。
- 月間アクセス数:3,000人以上
- 広告費換算効果:約120万円相当(CPC400円想定)
- SEO効果:検索上位表示の実現
実演URL: https://chatgpt.com/share/68b64aaf-4968-8004-bea7-bc3a693b44f7
実演4:創作コンテンツの自動生成

「生成AIの仕組みを簡単に伝える4コマ漫画を作成してください。各シーン1つずつ作成してください」というプロンプトで、教育的な4コマ漫画を自動生成いたしました。
生成された内容
- 注文=プロンプト:「まかせて!」
- 学習データから予測:AIがデータを学習して予測
- 安全チェック&出力:危険な内容をブロック
- フィードバックでさらに良く:アップデート版登場
注目ポイント
- 日本語の品質が非常に高い
- 教育的な内容を分かりやすく表現
- 専門知識を一般向けに変換
実演URL: https://chatgpt.com/share/68bd14cb-45a0-8004-a9ab-ef420520e114
実演5:プログラミング・ゲーム開発

「世の中にない斬新な発想を含めた新型テトリス風のブラウザゲームを作成して」という指示で、10分以内に操作可能なゲームを作成いたしました。
開発されたゲーム特徴
- 基本的なテトリス機能
- エネルギーシステム(新しい要素)
- 重力変化機能(キーボード操作で重力方向を変更)
- 完全に動作するブラウザゲーム
プレビューURL: https://chatgpt.com/canvas/shared/68b65f5e3acc819191d2158206be5279
実演6:バーチャル工場見学ゲーム

実際の顧客提案で使用した事例として、ドラクエ風のバーチャル工場見学ゲームをClaude(別の生成AI)で開発した例もご紹介いたしました。
開発仕様
- キーボードの十字キーで操作
- ドット絵のキャラクター
- 工場の各エリアでイベント発生
- 見学完了後に申し込み案内
開発URL: https://claude.ai/public/artifacts/32c183d8-9def-4166-ac45-b32fe49aa244
実演7:Map情報と店舗検索の新トレンド

「焼津でおいしい南マグロが食べられる場所教えて」という質問で、ChatGPTの地図機能と店舗検索能力を実演いたしました。
提供される情報
- インタラクティブな地図表示
- 店舗の詳細情報
- ウェブサイトへのリンク
- カーナビ連携機能
重要なトレンド
最近の若者は、食べログやぐるなび、インスタグラムに加えて、生成AIで店舗検索をする傾向が増えています。これは店舗経営者にとって、AIにも「選ばれる」ための対策が新たに必要になることを意味します。
実演URL: https://chatgpt.com/share/68bd153c-5364-8004-8c18-f10586c2c731
実演8:ウェブサイト自動作成

「ウェブサイトを作成して」という指示だけで、ランディングページを自動作成する機能も実演いたしました。
現在の実用性
- 基本的なレイアウトは自動生成可能
- ウェブ制作会社のサポートツールとして活用
- 将来的には個人でも本格的なサイト制作が可能に
プレビューURL: https://chatgpt.com/canvas/shared/68b69ca7f1e88191bdfec2460aa3b50a
これらの実演を通じて、ChatGPTが単なるチャットツールではなく、業務効率化の強力なパートナーであることを参加者の皆様に実感していただくことができました。
4. 役職・部門別AI活用方法の具体例



セミナーでは、「AIの知識だけでは業務には使えない」という重要なポイントを強調いたしました。パソコンができても仕事ができないのと同様に、AIと業務知識の両方が必要です。そこで、具体的にどのような業務でAIを活用できるかを、役職別・部門別に詳しく解説いたしました。
ChatGPT活用の5つの基本パターン

まず、ChatGPTの活用方法を以下の5つのパターンに分類してご紹介しました。
- 0→1(アイデア出し・リサーチ)
- SNS投稿テーマ、企画・提案素案、人事制度の案作成
- 1→10(文章作成)
- 箇条書き→ドラフト作成、サービス&顧客情報からの提案作成
- 10→10+(チェック・分析・分類)
- 契約書チェック、アンケートの分析・分類
- 10→1(要約・抽出)
- 音声から議事録作成、インタビュー記事作成、音声やメールからQ&A作成
- 10→X(言語変換)
- 多言語対応、英語の添削、Excelマクロ作成
役職別AI活用方法

管理職・部門長向け
主な活用領域:
- 議事録作成・要点整理:会議の録音テキストから重要ポイントと次のアクションをまとめ
- プロジェクト計画書作成:新規プロジェクトの計画書や企画書のドラフト作成
- 業績報告書の作成:月次・四半期の業績データを基にした報告書の作成
- 部下へのフィードバック文章作成:評価面談用の建設的なフィードバック文の作成
中間管理職向け
主な活用領域:
- 業務マニュアル作成:部署の業務手順書や研修マニュアルの作成・更新
- スケジュール最適化の提案:プロジェクトタスクの優先順位付けや効率的なスケジュール提案
- チーム間の共有文書作成:他部署への依頼文や説明資料の作成
- 問題解決案の発想支援:業務上の課題に対する複数の解決アプローチの提案
一般社員・実務担当者向け
主な活用領域:
- メール・ビジネス文書作成:顧客向け提案書や社内メールの文面作成、校正
- データ分析レポート作成:基礎的なデータ分析と考察のレポート化
- 学習・スキルアップ支援:新しい業務知識やスキルについての学習計画作成
- 会議準備資料作成:打ち合わせ資料や議題リスト、質問事項のまとめ
新入社員・若手向け
主な活用領域:
- 業務知識の質問対応:基本的な業界用語や業務フローについての質問回答
- 書類テンプレート作成:基本的なビジネス文書のフォーマット提供
- ビジネスマナー学習:社会人としての基本的なマナーや振る舞いについての解説
- プレゼンテーション準備:初めての発表資料作成やスピーチ原稿の構成アドバイス
部門別AI活用方法


営業部門向け
主な活用領域:
- 提案書・見積書作成:顧客のニーズや業界に合わせたカスタマイズ提案書の文面作成
- 商談準備資料:特定業界や企業に関する下調べ情報のまとめ
- セールストーク構築:商品の特徴を活かした効果的な説明やトークスクリプトの作成
- 顧客対応メール作成:問い合わせへの返信や定期フォローアップメールの文面作成
- 商談後の議事録作成:商談内容の要約と次のアクションアイテムの整理
- FAQ作成:よくある顧客質問とその回答例の作成
- 競合分析:競合製品との比較表やセールスポイントの整理
マーケティング部門向け
主な活用領域:
- コンテンツ作成:ブログ記事、SNS投稿文、プレスリリースの原稿作成
- キャッチコピー発想:商品やキャンペーンの魅力的なキャッチフレーズ提案
- ターゲットペルソナ設定:想定顧客像の詳細な記述作成
- 市場調査レポート作成:収集したデータから市場動向分析レポートの作成
- イベント企画書作成:展示会やセミナーなどのマーケティングイベント企画書の作成
- 広告文案作成:Web広告やチラシなどの広告コピー作成
- SEO対策キーワード分析:特定のテーマに関連するキーワード候補の提案
総務・人事部門向け
主な活用領域:
- 社内規定文書作成:各種規定やポリシー文書のドラフト作成
- 求人票・職務記述書作成:魅力的で明確な求人情報の文章作成
- 面接質問リスト作成:役職や職種に合わせた効果的な面接質問の提案
- 研修資料作成:新入社員研修や各種スキルアップ研修の教材作成
- 社内アンケート設計:従業員満足度調査などの質問設計
- 社内報・ニュースレター作成:社内コミュニケーション向け記事作成
- 福利厚生制度の説明資料:各種制度の分かりやすい解説資料作成
製造・技術部門向け
主な活用領域:
- マニュアル・手順書作成:操作マニュアルや作業手順書の文書化
- 技術文書の翻訳・簡略化:複雑な技術資料をわかりやすく説明する資料作成
- トラブルシューティングガイド:一般的な問題の診断と解決手順の整理
- 技術仕様書レビュー:仕様書の論理的整合性チェックや改善提案
- テスト計画書作成:製品テストの計画書や項目リストの作成
- プロジェクト進捗報告書:開発状況の定期報告書テンプレート作成
- 技術用語集作成:社内共有用の専門用語解説集の作成
AI活用のイメージ形成
これらの具体例を通じて、参加者の皆様に「自分の業務でもAIを活用できる」というイメージを持っていただくことができました。重要なのは、AIを万能ツールとして考えるのではなく、自分の専門知識と組み合わせて使う道具として捉えることです。
各部門・役職での活用例を知ることで、明日から実際に試してみることができる具体的なアクションプランを描いていただけたのではないでしょうか。
5. 【実践解説】業務改善思考によるAI活用戦略

セミナーでは、理論だけでなく実際にサンロフトでどのようにAI活用を進めているかの具体的な手法をご紹介いたしました。多くの企業が「どう業務に活かせばいいか分からない」という課題を抱えている中、弊社では業務改善思考というアプローチで段階的にAI活用を拡大してきました。
業務改善思考の3つのステップ

弊社での、インターンシップの学生向けに話した内容も含めてお話しました。
以下の3つのステップで業務改善を進めています。
- STEP1:フロー(工程)を洗い出す
- STEP2:AIを活用できそうな箇所を洗い出す
- STEP3:AI利用イメージを膨らませる
重要なポイントは、業務をどこでAI活用するかを漠然と考えるのではなく、業務工程を詳細に洗い出すことから始めることです。
実践事例:ウェブサイト企画・営業工程の分析
STEP1:詳細な業務フロー洗い出し

テーマ例:ウェブサイト企画・営業工程の業務効率化
弊社では、ウェブサイト制作の営業プロセスを以下のように細分化しました。
準備フェーズ
- お問い合わせ・紹介:お客様からの電話対応、挨拶、アポ候補日提案
- 事前情報収集:会社概要・事業内容・既存サイト分析、業界知識の理解
- アポイントメール:件名・本文を一から作成し、送信・返信対応
整理フェーズ
- 議事録作成:ヒアリング内容を文字起こしし、議事録を一から作成・整理
- お礼メール:ヒアリング内容を振り返りながらお礼メールを一から作成
企画フェーズ
- 提案企画検討:チームでのブレスト実施、創造的思考による企画立案
- 議事録作成:ブレスト内容を文字起こしし、多人数の議論内容を整理・記録
- 提案書作成:過去データを参照しながら提案書を一から作成
見積フェーズ
- 工数依頼:提案資料・サイトマップ共有、デザイナー・エンジニアへの工数算出依頼
- 見積作成:工数データを基に項目設定、原価計算、見積金額計算をExcelで実施
- アポイントメール:提案訪問のアポイントメールを一から作成
日常業務
- 日報記入:一日の業務を振り返りながら日報作成、重要ポイントと学びを整理
STEP2:AI活用可能箇所の特定

各工程でAIが活用できそうな箇所を以下のように分類しました。
AI活用:AI判定が有効
- 事前情報収集
- アポイントメール作成
- 議事録作成
- お礼メール作成
- 提案書作成
- 見積作成
- 日報記入
AI活用:AI支援に留める
- 提案企画検討のブレスト議事録
- 企画フェーズの提案書作成
人間が主導
- お客様との直接対話(ヒアリング、提案訪問)
- 創造的な企画立案
- 工数依頼の社内調整
重要な判断基準は、お客様と直接話をする部分はAIで代替するのは難しいが、その前後のプロセスはAIが活用できるという点です。
STEP3:具体的なAI利用イメージの構築

各工程での具体的なAI活用方法を以下のように設計しました。
準備フェーズ
- 事前情報収集:AIを活用し、会社概要・事業内容・既存サイト分析を調査。業界知識の理解と整理を実施
- アポイントメール:AIに必要情報を提供してメール件名と本文を自動作成し、メール業務を効率化
整理フェーズ
- 議事録作成:AIで録音データから詳細な議事録を自動作成し、議事録作成業務を大幅に効率化
- お礼メール:AIで議事録データを基にお礼メールの下書きを自動作成し、メール作成を効率化
企画フェーズ
- ブレスト議事録:AIでブレスト録音データから議事録を自動作成し、複雑な議論内容を効率的に整理
- 提案書作成:AIでメール・議事録データから提案書骨子を自動作成。PowerPointにコピペし提案書作成を大幅に効率化
見積フェーズ
- 見積作成:AIで作業内容・工数データから見積書内容を自動作成、EXCELにコピペし見積作成業務を効率化
- アポイントメール:AIでアポイントメールの件名・本文を自動作成し、アポ取得業務を効率化
日常業務
- 日報記入:AIで議事録・文字起こしデータから日報を自動作成し、日報作成業務を効率化
段階的導入による成果
最初は個別のタスクでAIを試していきましたが、気づいたら業務の50%以上をAIで解決するようになりました。重要なのは、業務を細分化してAIを試していくと、点が線になっていくということです。
- 完璧を求めず、まず試してみる
- 小さな成功を積み重ねる
- 効果を測定しながら拡大する
- チーム全体で情報共有する
この業務改善思考により、弊社では段階的かつ効果的にAI活用を拡大することができました。参加者の皆様にも、この手法を参考に自社の業務プロセスを見直していただき、AIを活用できる箇所を特定していただければと思います。
6. BuddieS(バディーズ)による業務効率化事例
セミナーでは、弊社が開発したAIプラットフォーム「BuddieS(バディーズ)」についても詳しくご紹介いたしました。このツールは、前章でご説明した業務改善思考を実際に形にしたもので、中小企業が直面する具体的な業務課題を解決するために開発されました。
BuddieS開発の背景と特徴

BuddieS(バディーズ)は、中小企業のAI活用を身近にする次世代プラットフォームとして開発いたしました。多くの中小企業では、AI活用に興味はあるものの「どこから始めればよいか分からない」「専門知識が必要では?」といった課題を抱えています。
主な特徴
- 独自開発の超最適化プロンプトで実用的な出力を実現
- 複数のAIエンジンを1つの契約で活用可能
- 1,300社以上の中小企業支援実績から得た知見を活かした設計
- 専門知識がなくても直感的に使えるユーザーインターフェース
主要機能と時短効果
BuddieS では、日常業務からマーケティング、分析・品質管理まで幅広い業務をカバーする機能を提供しています。
日常業務効率化機能
議事録作成
- 従来時間:1時間 → AI活用後:3分
- 音声・文字起こしデータから完璧な議事録を自動作成
文書作成・校正
- 従来時間:15分 → AI活用後:1分
- 文章を読みやすく構成し、修正内容も分かりやすく解説
新規メール・メール返信作成
- 従来時間:10分 → AI活用後:1分
- 共感的な表現を適切に織り交ぜた丁寧なメール作成
マーケティング業務支援
SNS運用支援
- 従来時間:15分 → AI活用後:1分
- 投稿アイデア、文章、コメント返信のアイディアを作成
ブログ・コラム記事生成
- 従来時間:6時間 → AI活用後:20分
- キーワードからSEOを考慮した記事作成
提案資料・企画書作成
- 従来時間:6時間 → AI活用後:20分
- AIとの会話で提案資料を作成
分析・品質管理業務
契約書・リスク診断
- 従来時間:6時間 → AI活用後:20分
- 法令違反やリスクを特定して改善提案
分析・フレームワーク
- 従来時間:3時間 → AI活用後:1分
- SNS・アクセス分析や3C・SWOT分析などに対応
業務マニュアル
- 従来時間:3時間 → AI活用後:1分
- 断片的なメモから実務向けのマニュアルを作成
実際のデモンストレーション
セミナーでは、メール返信機能の実際の操作をデモンストレーションいたしました。
デモ内容
受信メール:「株式会社ABCの鈴木と申します。BuddieS(バディーズ)についてお話を聞かせていただきたいです」
返信で伝えたい内容:「返信ありがとうございます。以下の日程でいかがでしょうか。ご検討よろしくお願いします」
AI処理結果:AIが受信メールの内容を分析し、伝えたい内容を組み合わせて、適切なビジネスメールを自動生成する様子をご紹介いたしました。
生成されたメール特徴
- 適切な敬語と丁寧な表現
- 相手の状況への配慮
- 具体的な日程提案
- 今後のアクション明確化
特に反響の大きかった機能
参加者の皆様から最も反響が大きかったのは、クレームに対するメール返信機能でした。
- クレームメールへの返信
- 複雑な問い合わせへの対応
- 定型的な業務メールの効率化
といった用途での活用に大きな関心をお寄せいただきました。
契約書リスク分析 また、契約書の文言をAIが分析し、リスクがある箇所を指摘して修正案を提案する機能も、管理職の負担軽減につながるとして高い評価をいただきました。
中小企業に特化した設計思想
BuddieS の開発では、1,300社以上の中小企業支援実績から得られた以下の知見を活用しています。
中小企業特有の課題
- 専門的なIT知識を持つ人材が限られている
- 複数のツールを導入・管理する負担が大きい
- コストパフォーマンスを重視する必要がある
- 即座に効果を実感できる機能が求められる
BuddieS の解決アプローチ
- 直感的な操作画面で専門知識不要
- オールインワンで複数ツール不要
- 段階的な導入でコスト最適化
- 明確な時短効果で即効性を実現
今後の展開
BuddieS は現在も継続的に機能追加を行っており、中小企業の業務効率化に特化したAIプラットフォームとして進化を続けています。セミナー参加者の皆様には、1ヶ月間の無料体験をご提供し、実際の業務でその効果を実感していただけるよう配慮いたしました。
このように、理論だけでなく実際に使えるツールとして BuddieS をご提供することで、参加者の皆様のAI活用推進をサポートしております。
7. ChatGPT以外の生成AIツール紹介
セミナーでは、ChatGPT以外の生成AIツールについてもご紹介いたしました。現在、生成AI分野は急速に発展しており、用途や特徴に応じて様々なツールが登場しています。
主要な生成AIツールの特徴比較

まず、主要な生成AIツールの特徴を整理してご紹介いたしました。
| モデル名 | 開発企業 | タイプ | 得意分野 | 料金 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | OpenAI | 勇者タイプ(万能型) | 複雑な分析レポートの作成、技術文書の執筆支援、高度なプログラミング支援 | 無料利用も可 |
| Claude | Anthropic | 学者タイプ | 長文ドキュメントの作成・編集、詳細な市場調査レポート作成、学術論文の要約・分析 | 無料利用も可 |
| Gemini | 魔法使いタイプ | 画像を含むドキュメント作成、音声データの分析・要約、動画コンテンツの解析 | 無料利用も可 | |
| Perplexity | Perplexity AI | AI検索エンジン | リアルタイムの情報検索・要約、最新情報を含む回答の提供、信頼性の高い情報源の引用 | 無料利用も可 |
Perplexity:次世代AI検索エンジン

Perplexity(パープレキシティ)は、2022年に公開されたAIチャットボット型の検索エンジンです。従来の検索エンジンとは異なり、AI技術を活用して情報を整理・要約して提供します。
主な特徴
- リアルタイムの情報検索・要約
- 最新情報を含む回答の提供
- 信頼性の高い情報源の引用
- 対話形式での詳細な情報探索
活用場面
- 最新のニュースや動向調査
- 学術研究での情報収集
- 競合他社の最新情報調査
- 市場トレンドの把握
Perplexity公式サイト: https://www.perplexity.ai/
Whisk:革新的な画像生成AI

Whiskは、Googleが開発した革新的な画像生成AIツールです。2025年2月12日から100以上の国と地域で試験運用が開始されました。
画期的な特徴
- 複数の画像を組み合わせた直感的な新規画像生成
- テキストプロンプト不要で画像による指示が可能
- スタイル」「モデル」「シーン」を画像で指定
従来のツールでは複雑なテキストプロンプトが必要でしたが、Whiskでは画像を組み合わせるだけで新しい画像を生成できます。これにより、デザインの専門知識がなくても直感的に画像制作が可能になります。
Whisk公式サイト: https://labs.google/fx/ja/tools/whisk
Skywork:一括資料作成プラットフォーム

Skywork(スカイワーク)は、2025年に登場したAIエージェント型の業務統合プラットフォームです。一つの指示で調査から資料作成まで一括対応できる点が特徴です。
主な機能
- 1つの指示で調査〜文書・表・スライド・Web・音声資料を一括生成
- 分野ごとに最適化された5つの専門AIエージェントを搭載
- 最新・信頼できる情報源を自動で引用
- 複数フォーマットで高品質に出力
活用効果
- 資料作成や分析業務を大幅に効率化
- 一貫性のある資料をワンストップで作成
- 専門知識がなくても高品質な資料を生成
Skywork公式サイト: https://skywork.ai/
NotebookLM:知識管理AI

NotebookLM(ノートブックLM)は、Googleが開発したAI搭載ノートアプリです。アップロードした情報だけを参照するため、信頼性の高いAIアシスタントとして活用できます。
主な機能
- PDFやテキスト、音声、ウェブサイト、YouTube動画など様々な資料をアップロードして分析
- アップロードした情報だけを参照するため信頼性が高い
- 議事録作成、契約書分析、思考整理に優れた性能
- マインドマップ自動生成
- 音声概要(資料の自動ポッドキャスト化)機能
音声概要機能では、アップロードした資料を基に、AIが自然な会話形式でラジオ番組のような音声コンテンツを自動生成します。機械的な音声ではなく、人間同士が議論しているような自然な会話を作成できる点が革新的です。
NotebookLM公式サイト: https://notebooklm.google.com/
Suno:AI音楽生成プラットフォーム

Suno(スノー)は、2023年に公開されたAI音楽生成プラットフォームです。テキストを入力するだけで楽曲を自動生成できる革新的なツールです。
主な特徴
- テキストを入力するだけで歌詞・メロディ・ボーカル付きの高品質楽曲を自動生成
- 複数のバージョン(最新はv3.5)があり、プロレベルの音質に対応
- 専門知識がなくても誰でも楽曲制作が可能
- 2025年にはAI DAW企業WavToolを買収し、Web上で本格的な音楽編集も実現
活用用途
- 企業のCMソング制作
- プレゼンテーション用BGM
- イベント用テーマソング
- 教育コンテンツ用音楽
Suno公式サイト: https://suno.com/home
ツール選択のポイント
これらの多様なAIツールから適切なものを選択するには、以下のポイントを考慮することが重要です。
用途別の選択指針
- 総合的な業務効率化:ChatGPT、Claude
- 最新情報の調査:Perplexity
- 視覚的なコンテンツ制作:Whisk
- 包括的な資料作成:Skywork
- 知識管理・文献調査:NotebookLM
- 音楽・音声コンテンツ:Suno
導入時の考慮事項
- 既存業務フローとの親和性
- チームのITリテラシー
- セキュリティ要件
- コストパフォーマンス
各ツールの特徴を理解し、自社の業務に最適なツールを組み合わせて活用することで、より効果的なAI活用が可能になります。
8. 【重要】セキュリティリスクと対策

セミナーの中でも特に重要な部分として、AI活用におけるセキュリティリスクと対策について詳しく解説いたしました。AIは非常に便利なツールですが、適切な知識なしに使用すると重大なリスクを伴う可能性があります。
情報漏洩リスクと対策

リスクの内容
ユーザーが入力した情報は、生成AIが学習し進化するために、基本的にサーバーに送信・保存される仕組みになっています。これにより、個人情報や機密情報を入力してしまうと第三者に閲覧されてしまうリスクがあります。
対策方法
- オプトアウトの設定で入力情報をAIに学習させない
- 個人情報や機密情報は入力しない
- 議事録などの要約をする際には個人名などを「○○」や「A」に置き換える
ChatGPTでの具体的設定方法

セミナーでは、「この設定だけは必ず覚えて帰ってください」と強調して、ChatGPTでの設定方法を詳しく解説いたしました。
設定手順
- 画面左下の設定を開く
- 「すべての人のためにモデルを改善する」を選択
- 「モデルの改善をすべてオフにする」
この設定を行うことで、入力した情報がAIの学習に使われることを防ぐことができます。参加者の皆様には、写真を撮っていただくことも推奨いたしました。
出力内容の信憑性リスクと対策

リスクの内容
生成AIは時として間違った回答をすることがあるため、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 古いデータに基づく回答
- 現実に存在しない情報を作り出すことがある(ハルシネーション)
- 倫理的に不適切な回答
対策方法
出力結果は必ず人間が確認し、内容の正確性を検証する
これは絶対に守るべき原則として、参加者の皆様に強調いたしました。特に重要な業務判断に関わる情報については、複数の情報源で確認することが重要です。
著作権侵害リスクと対策

リスクの内容
生成されたコンテンツに、既存のコンテンツとの類似性や依拠性が認められれば、著作権者は著作権侵害として損害賠償請求・差止請求が可能であるほか、刑事罰の対象となりえる重大なリスクです。
対策方法
入力時のポイント:
- 他者の著作物をそのまま入力しない
- データの出典を明確にする
- 権利関係を事前に確認
- 事実やデータのみ入力する
- 一般的な表現を使用
出力時の確認・修正ポイント:
- 既存の著作物との類似性
- 特徴的な表現の有無
- 固有名詞やブランド名の使用
- 組織固有の文脈に置き換え
- 業界用語の置き換え
ガイドライン作成の重要性

企業でのガイドライン策定
AIは便利なだけでなくリスクもあることを頭に入れながらルールを守って運用することが重要です。参考として、東京都のAIガイドラインをご紹介いたしました。
東京都AIガイドライン: https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/digitalservice/ai_guideline/
AIによるガイドライン作成支援

セミナーでは、ChatGPT自体にガイドライン作成を依頼する方法もご紹介いたしました:
プロンプト例
#指示文:
あなたは法務チェックのプロです。
下記の条件に従い、生成AI活用のリスクに
配慮した生成AI活用のガイドラインを作成
してください
#条件:
・文章と箇条書きを使い分ける
・基本方針を定める
・使用の目的や禁止事項を定める
#生成AI活用のリスク:
・情報セキュリティに関するリスク
・出力内容の信憑性に関するリスク
・著作権侵害のリスク
このように、AIを活用してAI活用のルールを作成することも可能です。
AIと人間の協働

相互補完の考え方
AIは創造性の起点・アイデア出し・初稿作成に強みを持つ一方、人間は文脈理解・専門知識の適用・倫理的判断に強みを持ちます。
最適な分担:
- AIに「下書き」を担当させる
- 人間に「編集・検証・最終判断」を担当させる
**目標は「AIか人間か」ではなく「AIと人間でどう協働するか」**という視点が重要です。
品質管理と確認プロセス
AIの出力を鵜呑みにしない姿勢が重要です:
- 重要な数値・事実・引用情報の必ず検証
- チェックリストの活用(法的問題、ブランドトーン、事実確認)
- 段階的な確認プロセスの構築
セキュリティ対策の重要性
これらのセキュリティ対策は、AI活用において技術的な知識と同じくらい重要です。適切な対策を講じることで、安全かつ効果的にAIを業務に活用することが可能になります。
参加者の皆様には、便利さだけでなくリスクも理解した上で、責任を持ってAIを活用していただくよう、改めてお願いいたしました。
9. まとめ – 今すぐ始められるAI活用への第一歩

セミナーの最後に、これまでの内容を3つの重要なポイントにまとめてお伝えいたしました。
3つの重要ポイントの再確認
① 私の仕事がなくなる?
AIを使いこなせない人の仕事がなくなります!
よく「AIが仕事を奪う」という話を耳にしますが、正確にはAIを活用できる人とできない人の間で生産性に大きな差が生まれるということです。AIそのものが仕事を奪うのではなく、AIを使いこなせない人が競争力を失う時代になっています。
だからこそ、今からAI活用のスキルを身につけることが重要です。技術の進歩スピードは加速しており、早く始めるほど有利になります。
② AI活用は、業務知識が重要です!
AI × 業務知識の組み合わせが成功の鍵
AIはあくまでも道具です。パソコンができても仕事ができないのと同様に、AIの知識だけでは業務に活用できません。重要なのは以下です。
- 自分の業務内容を深く理解する
- AIの特性と限界を把握する
- 両者を効果的に組み合わせる
今回ご紹介した業務改善思考のように、まず業務プロセスを細分化し、AI活用できる箇所を特定することから始めてください。
③ 情報漏えい・信憑性・著作権には注意をしよう!
リスク管理が安全なAI活用の基盤
AI活用の便利さに注目が集まりがちですが、適切なリスク管理が不可欠です。特に以下の3点は必ず押さえてください。
- 情報漏洩対策:オプトアウト設定の実施
- 信憑性の確認:出力内容の必ず人間による検証
- 著作権への配慮:類似性チェックと適切な利用
中小企業AI活用推進へのメッセージ
今回のセミナーで明らかになったように、中小企業でのAI導入は想像以上に進んでいます。42.3%の企業がすでに導入済みという調査結果は、AI活用が特別なことではなく、日常的なビジネスツールとして定着しつつあることを示しています。
小規模企業ほど導入率が高いという結果は、意思決定の速さと柔軟性が中小企業の強みであることを表しています。大企業よりも早くAI活用のメリットを享受できる可能性があります。
最後に

本セミナーが、皆様のAI活用推進の第一歩となれば幸いです。AI技術は確実に私たちの働き方を変えていきます。その変化を恐れるのではなく、積極的に活用して競争力を高めることが重要です。
まずは小さく始めて、着実に成果を積み重ねることから始めてください。そして、何か不明な点や活用でお困りのことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
皆様のビジネスがAI活用によりさらなる発展を遂げることを心よりお祈り申し上げます。


